テキストを入1999年に設立された「ティエッツィ」は現オーナーである、エンツォ・ティエッツィが栽培から醸造まで取り仕切るワイナリー。
ロッソ・ディ・モンタルチーノを創ったと云われる、モンタルチーノ出身の彼は農学者兼醸造学者として地元ワイナリーのコンサルタントを務めるかたわら、その後、長らくブルネッロ協会の理事、78年から8年間は協会理事長としてブルネッロの品質と名声の向上に多大なる貢献をしました。80年代にモンタルチーノの中心から北東へ3kmにあるポッジョ・チェッリーノを購入し、その後、村中心の西に接するソッコルソを購入。この畑はモンタルチーノ村の守護神、象徴ともされるマドンナ・デル・ソッコルソ教会の真裏にある、歴史ある偉大な畑です。 有機栽培されたブドウは全て手作業で収穫が行われ、発酵には天然酵母を使用。発酵と熟成は温度管理なしで大樽を使用する伝統的な手法でワイン作りを実践しています。特筆すべきは、作られる赤ワインの全てがまずはブルネッロを作るために同じ容器、工程で醸造が行われていること。そして熟成段階で数回にわたり試飲を繰り返した後にロッソとリゼルヴァに振り分けられます。
つまり、ほとんど全てのブルネッロ生産者がサンジョヴェーゼの若木からロッソを作り、樹齢が高くなったブドウからブルネッロを作ってリリースするという手法を取る中、ティエッツィは若木からは赤ワインをを生産することなく、全てロザートにブドウを回しています。この方法は250社以上あるブルネッロの生産者の中でも10数社しか実践していません。現在はエンツォの娘であるモニカと孫のラクエルが数年前よりワイナリー運営に参画し、益々の発展が期待される生産者です。