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エスプリ・ド・ラ・テール・ルージュAOPコルス・サルテーヌ2015/ドメーヌ・ペロ・ロンゴ

¥5,500 税込

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Esprit de la Terre AOP Corse Sartène
品種:80%シャカレロ 20%ニエルチオ
栽培:ビオディナミ農法(デメテール認証有り)
醸造:コンクリート製卵型タンク内で30 日間のマセラシオン後、セパージュ毎にアルコール発酵。別に 600Lのドゥミミュイで醗酵し、15~18 ヶ月間熟成させたワインとアッサンブラージュ。リオン・ド・ロカピーナとセパージュ比率が逆。自然酵母発酵、ノンフィルター、清澄剤不使用。酸化防止剤として天然の硫黄使用。
特徴:最も力強く、肉のような質感やスパイシーさを感じさせる。しかし他のキュヴェと同様に硬さはない。白コショウやタイムなど、刺激的なハーブの香りが印象的。

■ドメーヌはコルシカ島南部フィガリから車で30分ほどのSerraggia/セラッジア村に所 在。AOP は Corse Sartène/コルス・サルテーヌとなる。近くの崖上にライオンのよう な形をした大きな岩があり、Lion de Roccapina/リオン・ド・ロカピーナと呼ばれ観 光名所になっている。ドメーヌのトレードマークやキュヴエ名には、この名物の巨岩の 名前が使われている。現当主の Pierre Richarme/ピエール・リシャルム氏は 2 代 目。1965 年にピエール氏の父親が土地を買って農業を始めたが、当時はワインは 自分たちが飲む分だけを造っていた。1994 年にドメーヌ元詰を開始。その後 2000 年からビオディナミの栽培に取り組み始め、2003 年にデメテール認証を取得した。 24haのブドウ栽培(うち12haは借りている)の他に、牧畜(牛、羊、豚。いずれ も食肉用)とオーベルジュを手掛けており、これらもドメーヌの収入源となっている。

<栽培について> 現当主のピエール氏がビオディナミ栽培に興味を持ったのは、土壌微生物学の世界 的な権威であるクロード・ブルギニョン氏の講演を聞いたのが契機だった。「彼はとくに ビオロジック栽培を勧めたわけではなかったのだが、農薬や化学肥料を使わないブド ウ畑の根の断面を見て驚いた。根が3~4m の長さにのび、栄養を吸い込んでい る。植物の力はすごいものだと思った」と、ピエール氏。その後すぐにビオディナミ栽培を 志向。ビオロジック栽培を経てからビオディナミ栽培に取り組む生産者も少なくないな かで、最初からビオディナミに傾倒した理由について、「有害な何かを使わないという だけではなく、もっとその先をめざすべきだと感じた」と語る。ビオディナミに転換した畑 の土は、徐々に微生物の働きが活発になり、調和が取れた状態で雑草が生え始め た。ブドウ樹の葉が自然に風を通すようにつきはじめ、病気にかかりにくくなった。彼の 畑は標高約 45m と低く、海まで5㎞と近いため、朝晩は海から湿った空気が流れてくる。夏の朝6時の気温が9℃、日 中は 30℃前後と寒暖差が激しいのも特徴だ。湿った空気は乾燥にあえぐブドウに水分を与えてくれるが、涼しい時期は湿 気により病気にかかりやすくなる。ブドウ樹は環境に合わせて、自ら葉と葉の間隔をあ けるように調整しているのだ。 ビオディナミ栽培なので、無農薬、無化学肥料栽培 であることは前提で、牛糞を牛の角に詰めて土中の微生物の働きを活発にするプレ パラシオン500番、光合成を盛んにする水晶の粉末501番、土が乾いた時に使う というイラクサなどの調剤504番、その他カモミールなどのハーブティーを使う。日照量 は充分なので、501 番の使用頻度は低い。500 番は秋~冬の間に畑に埋めて、 春には水牛の角から中身を取り出し、陶器の器に移して、陶器の皿で蓋をし(写真 右上)、更に置いて分解させる。畑に撒く際はダイナマイザー(写真左下)で 40L の 水に120gの500番を加え、左右に20分間づつ回して混ぜる。それを1haの畑 に散布する。

鋤入れはしない。理由は雑草を残すことで生存競争が生じ、ブドウ樹の根が地中 深く伸びるのと、雨で土が流れてしまうのを防ぐため。12~3月に羊を畑に離して雑 草を食べさせ除草する。糞は自然な肥料となる。(なお、これら羊は食用として出 荷される)。現在は温暖化の影響もあり、乾燥地帯のコルシカ島ではブドウの生育 期間中ほぼ雨が降らない。あまりにも乾燥しすぎるとブドウの生育が止まってしまうの で、収穫後から冬にかけて灌漑をする。ブドウ品種はニエルチオ、シャカレロ、ヴェルメ ンティーヌなど。地場品種で造りたいという考えから90年代以降にピエール氏が新た に植樹したり、父の植えた国際品種に地場品種を接ぎ木したブドウが多い。特筆す べき点は、一部の区画のブドウ樹は自根であることだ。枝を1本長く伸ばして、それ を地面に植える。埋めた枝から根が生え、1本の樹として育つと今度は枝を切り離 す。一般的にはMarccotage /マルコタージュ、ブドウの樹にたいしてはProvinage/プロヴィナージュと呼ばれる方法で、接 ぎ木はしないので自根となる。基本的に自根は INAO の法律で禁止されているのだが、マルコタージュの場合は認められる。 2009 年に畑で自然発火の山火事があり、全体の 8~9%が燃えてしまったのだが、ピエール氏はこの火事を契機にマルコ タージュを始め、現在では全体の 2~3%が自根の樹となっている。「接ぎ木したブドウ樹よりも病気に強く、親樹から直接 養分を吸収するので果実が早くつく。」のだそう。フィロキセラの懸念に関しては、土壌がコルシカ島南部に典型的なアレン ヌ・グラニティックと呼ばれる風化した花崗岩土壌なので、砂状にさらさらと細かくなっており、フィロキセラは生息していない (砂によって背中が傷つくので、砂地では生きられない)。 剪定は冬季のみ。「葉が出始めてからの剪定は絶対にしない。 紐の間に入れると、適当な高さでからみつく」。収量を落とすためのグリーン・ハーベストも必要としない。肥料をやってないか ら、収量は自然に落ちる。

<醸造について>
醸造方法には、栽培面よりも生産者の考え方や性格がよく現れる場合もある。ピ エール氏は「ワイン造りは畑での仕事がすべて」と言いつつ、醸造面でもしっかりとした 哲学を持っている。ワイン造りだけではなく、農業や畜産に長くかかわってきたピエール 氏は、ビオディナミ農法をそのまま鵜呑みにせずに、まず自分の頭で考えて合理的な 判断を下す。奥方のマリ・ルイーズ氏曰く「何でも自分で造ってしまおうと考える技術 者タイプ」とのこと。 醸造面で面白いのは、コンクリート製卵型タンクの使い方と SO2 の使い方だ。対流が自然に起きる卵型タンク、通常は縦向きだがペロ・ロンゴ は横置きに寝かして使う。その理由は「鶏が産み落とした卵は横に寝た状態。縦にし たら自然じゃない。」から。そして対流の起こり方がシンメトリーではないのもより良いと 考える。タンクの容量は 35hl で約 5000 本 分。市販品は 12hl の容量のものしかないので、彼のタンクは自作である。赤と白の キュヴェに使うが、対流が自然に起きるのでバトナージュをする必要がなく、過抽出に ならない。ワインは全てのキュヴェで SO2 の量が非常に少ない。ピエール氏自身も SO2 に弱い体質であるため、できるだけ量を減らしたいのだが、ゼロにすると品質に 不安があるので、イタリアのエトナ山から取り寄せた火山性の天然硫黄を水に溶かし たり、酸素と反応させて煙にしたりしながら栽培と醸造に使っている。通常の液体状 のSO2と比べて非常に調整が難しいため、コルシカのビオディナミ生産者でも醸造に この硫黄を使っているドメーヌはペロ・ロンゴのみ。また、硫黄は一度に加えずに徐々 に加えて「ワインに情報を伝えることが大切」だという。

このショップでは酒類を取り扱っています。20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

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